昨今、新NISAやiDeCoをきっかけに投資を始める人が増えています。
「暴落したらどうしよう?」「損したくないな」と心配する方も多いのではないでしょうか。
株価の暴落について正しい知識と対策を知っておかないと、損失を自分で拡大してしまうこともあります。
本記事では、投資初心者に向けて暴落が起こる原因や対策を解説します。
なぜ暴落が起こるのか?

暴落に明確な定義はありませんが、1日で株価が10%以上ほど下落した時に暴落したといいます。
タイミングは読めませんが、定期的に株価の暴落は発生します。
暴落が起こる原因は様々な上に、複数の要因が絡み合っています。主な原因としては以下のものが考えられます。
- 突発的な災害や紛争
- 金融政策の変化
- 景気の悪化
- 投資家心理の悪化
突発的な災害や紛争
巨大地震や津波などの大規模な自然災害、テロや戦争といった突発的な出来事は株価に大きな影響を与えることがあります。
ダイレクトに経済活動の妨げになることに加え、投資家達の不安が引き起こされて、保有していた株を手放す人が増えます。
先が見えない不安が売りを後押しします。よって突発的な災害や紛争は暴落を引き起こす要因になるのです。
金融政策の変化
中央銀行の金利政策の変更も、株価に影響を与える重要な要因です。
金利が変わることで人々の行動が大きく変化します。
例えば、金利が上昇すると借入コストが増加し、企業の利益が圧迫されるため、株価が暴落することがあります。
このように、金融政策の変化が暴落のきっかけになります。
景気の悪化
バブルの崩壊や失業率の増加などで景気が悪化すると株価が下がります。
先行き不透明な状況では、株などの価値が変動する資産より預貯金で資産を保有したいと考える人が増えます。
値が変動する100万円分の株より、貯金100万円の方が価値変動のリスクが低いです。
景気が悪化すると投資家も保守的になるため、暴落の可能性が高まります。
投資家心理の悪化
市場は投資家心理に大きく影響されるため、市場全体がパニックに陥ると売りが加速します。
株が大量に売られると株価が大きく下落するため、他の投資家も利益があるうちに株を売ろうとします。
売りが売りを呼ぶメカニズムがこのように発生し、暴落に繋がります。
特に投資初心者は株価の下落に耐えられず、焦って売ってしまうことがあります。

下落にうろたえて売ってしまうことは狼狽売りと呼ばれています。
2000年以降に起きた株価暴落の事例3選


世界ではこれまでに数々の暴落の歴史が繰り返されてきました。
過去の事例を学ぶことで暴落が起こる要因を学びましょう。
本章では2000年以降の近年発生した暴落事例のうち、特に下落率の高かった3つの事例を紹介します。
- ITバブル崩壊(2000年)
- リーマンショック(2008年)
- コロナショック(2020年)


ITバブル崩壊(2000年)
1990年代からIT技術の発展により社会の仕組みが変革し、いわゆるIT革命が起きました。
ITバブル崩壊は、1990年代後半から2000年代初頭にかけてのインターネット関連企業の急成長とその後の急激な株価下落を指します。この現象は、特にアメリカのNASDAQ市場で顕著に見られました。
技術の急成長により、IT企業が将来的に巨額の利益を上げることを期待した投資家達が、実際の収益やビジネスモデルを無視して投資を行いました。
この結果、企業の株価は実際の価値を大きく上回る過剰評価がなされましたが、のちにIT企業が期待ほどの利益を上げられずに株価が暴落しました。



企業の基本的な財務状況やビジネスモデルを吟味して、慎重に投資判断を行いましょう。
リーマンショック(2008年)
リーマンショックは、2008年9月15日にアメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻したことを契機に発生した、世界的な金融危機です。この事件は、サブプライム住宅ローン危機に端を発し、金融市場に大きな混乱をもたらしました。
2000年代初頭、アメリカではサブプライムローンにより住宅バブルが発生し、これに付随して投資も盛んに行われました。しかし、住宅価格の下落とともに、これらのローンの返済が滞り始め、金融機関は巨額の損失を計上することになりました。
サブプライムローン関連の証券を大量に保有していたリーマン・ブラザーズは倒産しました。アメリカ史上最大の企業倒産となり、世界中に不安を拡散し、金融機関の信用が失われたのです。これにより世界的に経済活動が縮小し、大幅な景気後退・株価暴落が引き起こされました。



リスクの高い融資は控えましょう。
コロナショック(2020年)
コロナショックは、2020年初頭に新型コロナウイルスのパンデミックが引き起こした経済的混乱であり、株式市場に対して深刻な影響を及ぼしました。
2020年から約2年、ステイホームが推奨され経済活動が低迷しました。投資家は不安から株を売却し、現金を確保する動きがみられました。2020年2月から3月にかけて、世界中の株式市場は急激に下落しました。
しかし、過去の暴落事例と比べると早期に株価は回復しました。米国連邦準備制度(FRB)が、金利の引き下げや資産買い入れ政策を実施し、金融市場の安定を図ったためと考えられています。



いずれはショックから回復することを、投資家も政府も過去の事例から学んでいるんですね。
暴落が来た時にやってはいけないたった1つのこと


もし株価が暴落して、含み損を抱えてしまった時、あるいは損失にはならずとも利益が無くなりそうな時にどんな対応をすべきでしょうか。ここではやってはいけないことを説明します。
焦って株を売る
株価の暴落でパニックになり、焦って株を売ってしまうことは避けるべき行動です。
暴落の影響が長引きそうか、そもそもの投資の目的は何なのかを冷静に見つめ直して、売買の判断をするべきです。
もし暴落が一時的なものだった場合、底値で焦って売ったのちすぐに株価が回復することもあります。
焦って株を売る前に、状況を確認してから対応しましょう。
暴落に備えて投資初心者が知っておくべき3つこと


暴落に備えて投資初心者が知っておくべきことは以下の3つです。
- 暴落のタイミングは読めない
- 投資に絶対はない
- 経済は成長し続けている
暴落のタイミングは読めない
いつ株価が暴落するかは誰も分からないです。
初心者は暴落の歴史を見て、株価が下がる前に売って、下がってから買えばいいと思うかもしれません。
しかし、いつ暴落するか事前に予測することは、自然災害の発生を予測するくらい難しいことです。
自分だけはタイミングよく売買できるといった楽観視は控えましょう。
投資に絶対はない
「100%利益が出る」「損する確率は0%」といった投資はなく、リスクは避けられません。
どんなベテラン投資家であっても、市場を完全に読み切ることはできないのです。
投資初心者ならなおさら、投資した株の値動きを読むことは難しいです。
投資をする際はリスクがあるという前提を覚えておきましょう。
経済は成長し続けている
株価が暴落して含み損が増えると、もうこのまま株価は上がらないかもしれないと悲観的になるかもしれません。
個別株の場合はその企業の業績によるため判断は難しいですが、経済市場は成長し続けており、一時的に株価が暴落しても時間をかけて上昇していきます。
こちらのグラフは米国株式と日本株式の過去97年の推移を表したグラフです。


過去に何度も暴落を繰り返してきましたが、長期視点で見れば現在まで右肩上がりで推移しています。
暴落すると悲観的になってしまいがちですが、そんな時は経済は成長し続けていることを思い出しましょう。
実は長期投資家にとって大暴落は嬉しい?


見方を変えると、暴落は長期投資家にとっては嬉しい面もあります。
普段、割高で購入できない株が安くなることで買いやすくなります。
積み立て購入している株の場合、暴落前は100株しか買えなかったのが、暴落後は同じ金額で200株買えるようになることも。
長期投資家は短期的な値下がりはバーゲンセールと捉えて、買い増しチャンスにしましょう。
暴落に備えた対策5選


いつか来る暴落に備えて、以下の対策を行いましょう。
- 投資の目的を明確にする
- 長期的な視点を持つ
- 分散先を分散させる
- 積立投資(ドルコスト平均法)をする
- 日頃から情報収集する
投資の目的を明確にする
何のために投資をしているか明確にしましょう。目的によって投資スタイルが変わります。
老後の生活費を確保することが目的の場合と、来年のイベントで使うための資金を用意することが目的の場合とでは暴落時の対応も異なります。
リスク管理のためには、投資の目的を明確にして長期投資することをおすすめします。
長期的な視点を持つ
株の値動きで一喜一憂するのではなく、長期的な視点で考えるようにしましょう。
短期目線で捉えると「暴落=大損」になりますが、長期目線で捉えれば暴落も成長過程の一つです。
世界経済も人類の発展とともに成長していると考えると値動きにメンタルも左右されづらくなります。
株価や市場は長期的な視点で見ましょう。
投資先を分散させる
投資先は複数に分散させる必要があります。
1つの銘柄だけに一極集中するより、複数の銘柄に投資している方がリスクが下がります。
300万円をA社に投資している場合と100万円ずつA社、B社、C社の3社に投資してる場合に、A社の株が暴落したら前者の方が損失は大きいです。
たとえ暴落のリスクの低い投資先だと思う場合であっても、投資先は分散させた方が安心です。



「卵は一つのカゴに盛るな」という格言の通り、複数の銘柄に投資しましょう。
積立投資(ドルコスト平均法)をする
積立投資(ドルコスト平均法)は、一定金額分の投資商品を定期的に買い続ける投資方法です。
投資商品は価格が変動しますが、定額で積立購入することで価格変動のリスクを抑えられます。
一括で100万円分の株を購入する場合と、数年かけて毎月1万円分の株を購入する場合とでは、購入タイミングによる高値掴みのリスクは後者の方が低いです。
投資初心者は特に積立投資がおすすめです。
日頃から情報収集する
日頃から経済指標や投資先の企業情報などをチェックするようにしましょう。
暴落のタイミングは読めませんが、いざ暴落した際の判断には元々の知識・情報が役立ちます。
投資している企業の業績次第では、暴落時に手放す判断が必要なこともあります。
このような判断を適切にできるようになるためにも日頃から情報収集することをおすすめします。
まとめ


本記事では暴落の原因と対策について解説しました。
- 突発的な災害や紛争
- 金融政策の変化
- 景気の悪化
- 投資家心理の悪化
- 投資の目的を明確にする
- 長期的な視点を持つ
- 分散先を分散させる
- 積立投資(ドルコスト平均法)をする
- 日頃から情報収集する
暴落はいつ来るか分からないけれど、定期的に訪れるものだと理解しておきましょう。
過剰に暴落を恐れたり、暴落を軽視したりすることなく、自分のリスクの許容範囲内で長期投資すると資産を少しずつ増やせます。
ぜひ本記事の内容を参考に暴落対策をして長期投資しましょう!