ブラックロックとは?世界最大の資産運用会社
ブラックロック(BlackRock, Inc.)は、世界最大の資産運用会社です。
1988年にアメリカ・ニューヨークで設立され、2025年時点での運用資産残高は約10兆ドル(約1,500兆円)に達します。
ブラックロックは世界中の投資家から資金を集め、株式・債券・不動産・コモディティなどあらゆる資産に分散投資しています。
特に有名なのは、ETFブランドの「iShares(アイシェアーズ)」です。
- 米国S&P500連動ETF(IVV、VOOなど)
- 全世界株式ETF(VT)
- 日本株ETF(EWJなど)
ETFを通じて世界中の個人投資家・機関投資家に投資商品を提供しており、世界経済に影響を与える存在と言えます。
ブラックロックが日本株に投資する理由
ブラックロックの日本株投資にはいくつかの背景があります。
- 安定した先進国市場への分散投資
- 米国中心のポートフォリオに対し、日本株は低相関・低リスク資産として機能
- 大型株中心で流動性が高い
- 数千億円規模の運用でも売買がしやすい
- 高配当+円安メリット
- 日本の大企業は配当利回りが高く、ドル建てで見ると割安に映る
世界的に見ると、日本株は「安定成長+割安感+高配当」で魅力的な市場です。
目次
ブラックロックが保有する日本株トップ5【2025年最新】
2025年6月末時点の運用報告書に基づく、ブラックロック日本株式ファンドの保有上位5銘柄は以下の通りです。
順位 | 銘柄名 | 構成比率(概算) | 銘柄の特徴 |
---|---|---|---|
1 | ソニーグループ | 約3.99% | エレクトロニクス・ゲーム・映画の世界的総合企業 |
2 | トヨタ自動車 | 約4.0% | 世界最大の自動車メーカー。EV・水素戦略も強化中 |
3 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 約3.8% | 国内最大メガバンク。高配当と安定感が魅力 |
4 | 日立製作所 | 約3.2〜3.9% | インフラ・ITに強み。海外売上比率が高い総合電機 |
5 | 任天堂 | 約2.5% | 世界的ゲームメーカー。IP資産の強さで安定収益 |
各銘柄の投資ポイントと個人投資家へのヒント
1. ソニーグループ(Sony Group Corporation)
- 事業:エンタメ(映画・音楽)、半導体、PlayStationなど
- 強み:グローバルブランド力と多角経営
- 投資ポイント:
- 半導体事業はスマホ向けイメージセンサーで世界シェアNo.1
- ゲーム事業・映画事業の安定収益に加え、音楽サブスクも伸長
- 為替が円安の時期は利益が膨らみやすい
- 個人投資家へのヒント:
- 「海外売上比率が高い企業は円安に強い」典型例
- 長期保有で値上がり+配当の両取りが狙える
2. トヨタ自動車(Toyota Motor Corporation)
- 事業:自動車製造・販売(ハイブリッド、EV、水素車)
- 強み:世界販売台数トップクラスの安定感
- 投資ポイント:
- EV化に加えて水素社会のリーダー候補
- 国内外でのシェア・ブランド力が非常に高い
- 長期で見れば株価は右肩上がり+高配当傾向
- 個人投資家へのヒント:
- 世界的に「安全資産」として機関投資家からも評価が高い
- 日本株ポートフォリオの中心銘柄として有力
3. 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)
- 事業:銀行・信託・証券など総合金融サービス
- 強み:高配当株の代表格
- 投資ポイント:
- 国内最大の金融グループ。海外投資も積極化
- 金利上昇局面では利ざや拡大で利益増
- 株主還元姿勢が強く、長期保有で安定収益が期待できる
- 個人投資家へのヒント:
- 長期ポートフォリオの配当支柱として最適
- 円安+米国金利上昇局面で追い風
4. 日立製作所(Hitachi, Ltd.)
- 事業:社会インフラ、エネルギー、IT・デジタルソリューション
- 強み:海外売上比率が高く、成長領域に集中
- 投資ポイント:
- 鉄道、電力、産業機械など社会インフラ事業に強み
- 近年はIT・クラウド・データ分析事業が好調
- 海外M&Aでグローバル企業化が進む
- 個人投資家へのヒント:
- 景気循環に左右されにくく、長期投資に向く
- SDGsやインフラ投資のテーマ性もあり将来性◎
5. 任天堂(Nintendo Co., Ltd.)
- 事業:家庭用ゲーム機・ソフト開発
- 強み:世界的IP資産と安定的なブランド力
- 投資ポイント:
- マリオ、ゼルダ、ポケモンなど唯一無二のゲーム資産
- 「Nintendo Switch」の成功で利益体質は盤石
- 新ハードや映画展開など成長余地が大きい
- 個人投資家へのヒント:
- キャッシュリッチ企業で財務健全
- 長期目線で株主還元の拡大も期待できる
ブラックロックが日本株で狙う投資戦略とは?
ブラックロックの日本株投資戦略は、基本的に安定性重視+世界分散投資の一環です。
- 大型・流動性重視
- 数千億円単位の資金を動かしても株価を崩しにくい銘柄が中心
- 長期安定+配当狙い
- 長期保有でインカムゲインを取りつつ、株価上昇も狙う
- グローバル競争力重視
- 為替・海外売上に強い日本企業は機関投資家に好まれる
個人投資家にとっても、ブラックロックの保有銘柄は長期保有の参考指標となります。
まとめ:ブラックロックが選ぶ銘柄は「安定+国際競争力」
ブラックロックが保有する日本株トップ5は以下の通りです。
- ソニーグループ
- トヨタ自動車
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- 日立製作所
- 任天堂
世界最大の資産運用会社が選ぶ日本株は、
長期安定+世界で戦える企業に集中しています。
個人投資家はこれらをウォッチすることで、
世界目線での日本株投資戦略のヒントを得ることができます。